育児では、まだまだ『しつけ』を理由に、感情のままに『怒る』人がたくさんいます。
昔の私もそうでしたが、怒ると思いは相手の心に届きません。
相手が我が子であっても、教え子であっても、部下であっても、同じことがいえます。
『怒る』と『叱る』の違い
怒る | 自分のためであり、自分の感情を抑えることができていない状態です。 |
叱る | 相手のためであり、感情を抑えながら相手のペースに合わせて教えている状態です。 |
怒りの行動
私たちは、腹が立つと怒ったり、自分の思い通りにならないときにも怒ります。
また、自分の考えを認めさせたいときや自分が偉いと思っているときにも怒ることがあります。
これは、自分のプライドを傷つけられたと感じるからです。怒りはしばしば、自己の価値や意見が脅かされたと感じるときに表れます。
また、怒る人はしばしば「相手が悪い」と考えがちで、自分の誇りや不安を他人のせいにする傾向があります。
怒ることは感情的な反応であり、つい手を出してしまい、体罰や暴力につながる可能性があります。
叱りの行動
叱るということは感情を抑える指導するということが重要です。
叱る際には、むやみに叩いたり殴ったりすることはありません。もし、叩く必要がある場合は、手のひらで軽く一度だけ叩くことがあります。
これは、相手の注意を引くための体罰であり、痛みを与えることではありません。叱る目的は、相手に理解してもらうことです。ゆっくりと落ち着いて、静かな声でわかりやすく説明することが重要です。
叱る側は、このような行動には疲れるかもしれませんが、それは相手に対する気遣いから生じるものです。
理解してもらうには相手のペースが必要
感情的に怒って、「わかった!?返事は!?」や「ごめんなさいは!?」といった強要は意味がありません。
無理やり言わされた返事には心が伴いませんし、時間が経てば忘れてしまい、同じことを繰り返すことになります。
一方、冷静に叱ると、お母さんの言葉が心に響き、気持ちが変わっていくことがあります。
その結果、同じことを繰り返さなくなりますし、自発的に「ごめんなさい」を言ってくれるようになります。
このような変化が起こるためには、相手にはひとりで考える時間が必要です。
これが『相手のペース』です。
どうすればうまく叱れるのか?
ではどうすればうまく叱れるのでしょう?
まく叱るためには、以下のステップが役立ちます
- 感情的にならないようにする:
叱る際は、冷静な状態で臨みましょう。腹が立っているときは、クドクドと喋るのではなく、その場を止めさせることに集中しましょう。 - 感情が落ち着いた時に話す:
感情が落ち着いた後、2・3日経ってからお互いに落ち着いているときに話し合うのが効果的です。「ねえねえ、先日の話だけど…」と話してみてください。「お母さんはこう思うんだけど、あなたはどう思う?」と。 - 対話を1度で終わらせようとしない:
話し合いが1回でスッキリしない場合でも、根気よく相手と向き合いましょう。「そうかなぁ?もうちょっとゆっくり考えてみよう」と終わらせ、次の機会に再度話し合うことも大切です。
このように、感情的にならず、相手の立場や感情に理解を示し、根気よく話し合うことで、効果的に叱ることができます。